No.198(7/17)温泉の医者が診ているもの
こんばんは!
お読みいただきありがとうございます。
瀕死の重傷を負った温泉、外部より百戦錬磨の外科医を招いての大手術を行い、今は私が“主治医”として術後の経過を観察する日々。元通り自分で元気よく噴き出す状態(“自噴”状態)に復活できるのか?ここが今回の工事の最大のポイントなのです。
今まで過去に何度か、この自噴が停止して、その度に数日中に復活させてきたのですが、そのやり方は今回は通用しません。なぜなら、今回は今までと比べて、調査と大手術のための停止期間がとても長く、この間調査や安全管理のために何百トンもの水を温泉井戸内部に注入してきたからです。
何故水を注入してきたかはまた次回以降に詳しく書こうと思いますが、今日は復活に向けての経過観察でいったい今何を診てるのか?ということを書きますね。
※診てるっていう字はお医者さんっぽいでしょ。w
先ずは温度
電気伝導度
これは温泉水の電気の流れやすさを調べるもので、数値が高いほど電気が流れやすいということになります。これは、ナトリウムやカルシウムと言ったいろんなミネラルが沢山溶け込んでいればいるほど、数値が高くなり、温泉としての濃度が高いということになります。
源泉の圧力
圧力は 温泉水が地上に湧出する際の力強さの指標になります。
圧力が高いほうが沢山湧出しているということになります。
コンプレッサー(空気圧縮機)の電流
コンプレッサーの圧力
この源泉は高圧空気をパイプ(汲み上げ管)の中に送り込んでお湯を汲み上げる、『エアリフトポンプ』式の汲み上げスタイルをとっています。
エアリフトポンプの原理図(笑)※初めて絵を描く機能を使ってみた。w
あとそれから、写真には撮ってないけど、温泉の湧出量も診ています。
これは単位時間中のタンクのレベル上昇で測定しています。
これらの診ているものの数値がとても大事。
大手術の過程で温泉井戸の中に水を注入したと書きましたが、この入れた水を全部汲み上げないと本来の温泉には復活しないというのは想像がつくでしょうか?
経過観察ではこの汲み上げ量や汲み上げた際の湯の濃度や温度などを測定して、その測定値をベースにしてどの程度本来の温泉に戻ってきているか?というのを判断しているんです。
次回のスパゲンのブログでは、源泉井戸に水を注入した理由について書いてみようと思います。当源泉の凄さが伝わればいいなと思います。
こうご期待。(^^;)
おしまい。(^^)/